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プレバイオティクスとプロバイオティクスの基礎知識|腸内環境を整える食品と効果的な取り入れ方【管理栄養士監修】

プレバイオティクスとプロバイオティクスの基礎知識|腸内環境を整える食品と効果的な取り入れ方【管理栄養士監修】

INDEX

私たちの健康は腸内環境と密接に関係しています。最近では、腸内フローラを整える「プレバイオティクス」と「プロバイオティクス」が注目され、多くの研究が進められています。しかし、これらの違いや効果、正しい取り入れ方については、まだ十分に理解されていないかもしれません。

本記事では、プレバイオティクスとプロバイオティクスの基礎知識から、効果や食品例、選び方、取り入れる時の注意点まで詳しく解説します。

コラムのポイント

・プレバイオティクスは主に有用菌のエサとなる食品成分のこと

・プロバイオティクスは十分な量を摂取すると、健康に役立つ効果を発揮する生きた微生物のこと

・プレバイオティクスとプロバイオティクスを一緒にとる「シンバイオティクス」が効果的

プレバイオティクスとは?

プレバイオティクスとは、腸内の特に有用菌のエサとなる難消化性の食品の成分のことで、有用菌の増殖を促すことで腸内環境を整える働きが期待されています。

プレバイオティクスには以下のような特徴があります:

・腸より上部の消化管で消化・吸収されない
・大腸内の一部の有用菌(ビフィズス菌など)のエサとなり、それらの菌の増殖を促し、代謝物質(短鎖脂肪酸など)の産生を活発にする。
・腸内フローラ全体のバランスを整える
・人間の心と体の健康に貢献する

プレバイオティクスの効果とは?

プレバイオティクスには、腸内環境の改善や健康へのさまざまなプラスの影響があります。具体的な効果は以下の通りです。

有用菌を増やす

プレバイオティクスは、有用菌のエサとなり、有用菌自体を増やすことに繋がります。

整腸作用

プレバイオティクスが腸壁を刺激したり、有用菌の活性化や増殖を促すことで、規則的な排便リズムや良好な便形状に繋がります。

短鎖脂肪酸の産生を促す

有用菌のエサとなるプレバイオティクスをとることで、有用菌の働きが活発になり、短鎖脂肪酸などの有用な物質の産生に繋がります。短鎖脂肪酸には、消化や吸収を助ける、免疫機能の調整、肥満予防などの働きがあります。

【関連記事】 短鎖脂肪酸とは?腸内細菌との関連と実践法について【管理栄養士監修】

プレバイオティクスの食品例

プレバイオティクスの食品例には下記のようなものがあります。

    水溶性食物繊維を含む食材

       

    食物繊維の中でも、水溶性食物繊維が特に有用菌のエサになりやすいとされています。水溶性食物繊維を含む食品には、大麦や海藻類、ごぼうやにんにく、アボカド、プルーン、キウイフルーツなどがあります。最近では、特に有用菌がエサにしやすい食物繊維(主に水溶性食物繊維全般と一部の不溶性食物繊維)を「発酵性食物繊維」とする考え方も出てきています。

    オリゴ糖を含む食材

       

    はちみつやたまねぎ、アスパラガス、にんにく、大豆製品、バナナなどに特によく含まれています。

    レジスタントスターチを含む食材

     

    レジスタントスターチとは、体内で消化されないでんぷんのことで、「難消化性でんぷん」とも呼ばれています。玄米や雑穀米などの未精製の穀物や未熟なバナナ等に多く含まれています。また、冷えた白米やでんぷんの多いじゃがいもなどにも含まれるため、おにぎりは常温のものを温めずに食べる、じゃがいもはポテトサラダとして食べる、といった食べ方の工夫でもとりいれやすくなります。

プロバイオティクスとは?

プロバイオティクスとは、十分な量を摂取すると、健康に役立つ効果を発揮する生きた微生物のことを指します。主に乳酸菌、ビフィズス菌、酪酸菌などがあり、食事やサプリメントから摂取することが可能です。

プロバイオティクスの効果

プロバイオティクスは、腸内環境の改善、免疫機能の向上、アレルギー等過剰な免疫反応の緩和や炎症の抑制、心の健康への影響など、さまざまな効果をもたらします。

    腸内フローラのバランスを整える

    有用菌そのものが腸内に届くことで、腸内フローラのバランスが整い、腸内環境の改善に繋がりやすくなります。

    有害な菌の増殖抑制

    主にビフィズス菌などの有用な菌が産生する短鎖脂肪酸には、腸内を弱酸性に保ち、有害な菌の増殖を抑制する働きがあります。

    短鎖脂肪酸の産生を促す

    プロバイオティクスに含まれる菌の中には、様々な健康効果のある短鎖脂肪酸を産生する菌が存在するため、有用菌を直接腸内に取り入れることで、短鎖脂肪酸の産生も促されます。

プロバイオティクスの食品例

有用菌を含む整腸剤やサプリメント

ビフィズス菌や乳酸菌、酪酸菌など、商品によって含まれている有用菌は様々ですが、食品ではとりづらい有用菌を手軽にとりいれることができます。

発酵食品全般

納豆や味噌、ヨーグルトなどのほとんどの発酵食品は乳酸菌によって発酵された食品です。一部のヨーグルトにはビフィズス菌も含まれている場合があります。

シンバイオティクスとは?

シンバイオティクスとは、プレバイオティクスとプロバイオティクスを一緒にとることをいいます。どちらの種類の食品もバランス良く取り入れることで、より効果的に腸内環境を整えることに繋がります。一度の食事や一日の食事の中で、プレバイオティクスとプロバイオティクス、どちらの食材もとりいれることができるように意識しましょう。

まとめ|腸内環境を整え、健康な未来へ

プレバイオティクスとプロバイオティクスを意識して食生活に取り入れることで、腸内フローラを理想的なバランスに整え、免疫機能や消化機能、さらには心の健康にも良い影響をもたらすことが期待されます。健康な心と体づくりは、まず腸から。今日からあなたの食生活に取り入れて、より健やかな未来を目指しましょう。

腸活を始めてみたけど効果はどうかな?と感じたら、自宅でできる「腸内フローラ検査サービス」をお試しください。

自身の腸内細菌の割合やバランスをもとに、健康状態や体質の傾向、特に積極的に摂ったほうが良い食材などがわかりますので、自分に合った腸活や生活習慣の改善、健康維持・増進にお役立てください。

 株式会社サイキンソー
 管理栄養士
 志田 結

保育園や健診クリニック、特定保健指導業務を経て株式会社サイキンソーに入社。腸内フローラ検査を受けた方への腸活相談サービスの立ち上げや医療機関向けサポート業務に従事。個別相談やセミナー登壇の実績も多数あり、腸内細菌の可能性や奥深さを広く発信している。