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腸内環境はどのくらいで変化する?|健康な腸内環境になるまでの期間と腸活の重要性【管理栄養士監修】

腸内環境はどのくらいで変化する?|健康な腸内環境になるまでの期間と腸活の重要性【管理栄養士監修】

INDEX

私たちの体を健康に保つために、腸内環境の重要性が大いに注目されています。とはいえ、腸内環境を改善するには、具体的にどうすればいいのか、どのくらいの期間で結果が現れるのか疑問に思う方は多いのではないでしょうか。そこで今回は、健康な腸内環境になるまでの期間と腸活について詳しく解説します。あなたの健康なライフスタイルへの一歩に、ぜひ参考にしてみてください。

コラムのポイント

・腸内環境が変わる期間には個人差がありますが、早ければ2週間程度で変化しはじめ、定着する には3ヶ月以上かかる場合が多いです。

・腸内環境は常に変化をしています。腸内環境を整えるには、継続的な腸活が重要です。

良好な腸内環境とは

そもそも”良好な腸内環境”とは、どういう状態のことをいうのでしょうか。まずは、目安となる理想的な腸内環境の状態について解説します。

多様性の高い腸内フローラ

近年の研究により、腸内細菌には多種多様な働きがあることが分かってきています。これまで腸内細菌は、善玉菌、悪玉菌、日和見菌と大別されそのバランスを整えることが重要とされていましたが、現在はより多くの種類の菌をバランス良く(ある程度均等に)存在していること、つまり多様性の高い腸内フローラが理想と考えられています。

消化や吸収の機能が良好

腸内細菌がバランスよく存在し、腸の機能である食べ物の消化と栄養素の吸収がスムーズに行われている状態です。

規則的な排便リズム

便秘や下痢が少なく、快適な排便が定期的に行われる健康な状態です。

どのくらいで腸内環境が変わるか

実際のところ「腸内環境はどれくらいで変わるのか?」と疑問に思う方も多いでしょう。一般的には、腸活を始めてから早ければ2週間程度で腸内フローラに変化が現れ始めるとされています。ただし、腸内細菌のバランスが安定し、良好な腸内環境が「定着」するまでは3ヶ月以上かかることが多いです。

腸内環境の変化に必要な期間の目安

・短期(数日〜2週間)
食生活や生活習慣を大きく改善するほど、短期間で一部の腸内細菌に変化が現れやすくなります。

・中期(1〜2ヶ月)
便通のリズムやお腹の調子に明確な変化を感じ始める段階です。

・長期(3ヶ月以上)
腸内細菌のバランスが定着し、体調の安定を実感しやすくなります。

腸内環境が変わるスピードに影響する要因

・生活習慣の改善度合い
食事や運動、睡眠、飲酒習慣などの生活習慣を大きく変えるほど、腸内環境が変わるスピードや変化も大きくなると考えられます。

・ストレス
腸内環境はストレスの影響も大きく受けやすく、ストレスの有無も腸内環境の変化スピードに影響するでしょう。

・体質
もともとの腸内フローラの状態や遺伝的要素による個人差も大きく影響しています。
・薬の服用
抗生物質など、薬剤の中には腸内フローラに大きく影響を与えるものがあります。それらの薬の服用中は、腸内環境が一時的に悪化する場合や改善までに時間がかかる場合があります。

継続が鍵!腸内環境の変化を定着させるために

腸内環境は日々変化しています。一時的に改善しても、乱れた生活習慣が続けばすぐにバランスが崩れてしまうこともあります。腸活の成果を確実にするためには、日常的な食生活の見直しと、ストレス管理、睡眠の質の向上などを「習慣化」することが大切です。腸内環境の変化は、短期的な結果だけでなく、長期的な健康づくりにもつながります。出来ることから焦らずコツコツ取り組みましょう。

腸内環境の重要性

では、腸活をはじめる前に、あらためて「腸内環境とは何か」を簡単に確認しておきましょう。

腸内環境とは、腸内にすんでいる無数の細菌(腸内フローラ)のバランスによって左右される腸の内部環境のことです。これらの腸内細菌は、健康に大きな影響を及ぼす重要な働きをしています。そのため、健康な心と体を維持するためには、腸内環境を整えることが大切です。腸内環境が良好であると、以下のようなメリットがあります。

・消化と栄養の吸収促進
・免疫機能の調整
・肥満の予防
・精神の安定
・様々な疾患の予防

消化と栄養の吸収促進

腸内環境は、私たちの消化と栄養吸収の機能に深く関わっています。腸内細菌の中には、食事 から摂取した栄養素を分解し、私たちが吸収できる形に変えるものもあります。特に、有用菌 (いわゆる善玉菌)は一部の食物繊維を発酵させて短鎖脂肪酸を作り出し、これが腸の健康維持 と消化・栄養吸収に重要な役割を果たします。健康な腸内環境を維持することで、消化・吸収能 力が最大限に発揮され、食事からの栄養素をより効率的に身体に取り入れることが可能になるの です。

免疫機能の調整

体内の免疫細胞の半分以上は腸にあるといわれるほど、腸と免疫には深い関わりがあります。 特に腸内細菌も免疫機能をサポートしていることが近年の研究で明らかになってきています。 具体的には、病原体や異物が体内に侵入しないよう腸のバリア機能として働き、体を感染か ら守る役割を果たしています。それだけでなく、一部の有用菌が産生した短鎖脂肪酸が体内に吸 収されることによって、アレルギーなどの過剰な免疫反応を抑える細胞を活性化させる働きもあ ります。したがって、良好な腸内環境を保つことは、免疫機能のバランスを整え、健康 維持に繋がります。

肥満の予防

一部の有用菌が産生した短鎖脂肪酸には、脂肪の蓄積を抑えたり、代謝をあげる働きがあるこ とが分かっています。また、腸内細菌の中には、痩せや肥満といった体型に関与している菌があ ることも近年の研究で明らかになってきています。肥満の予防によって、様々な生活習慣病など のリスクを下げることにも繋がります。

精神の安定

腸内環境は、私たちの気分や心理状態にも大きな影響を与えます。これは、脳腸相関と呼ばれ ています。腸と脳は神経やホルモンを通じて影響を与え合っており、腸内に存在する多種多様な 細菌のバランスが崩れると、体調だけではなく心の状態にも影響を及ぼすのです。このため、腸 内環境を整えることで心の健康を支えることができると考えられています。

様々な疾患の予防

近年、腸内環境、特に腸内フローラのバランスと疾患に関する研究が進んでいます。腸に関わ る疾患だけでなく、生活習慣病や感染症、神経疾患、精神疾患など全身の疾患と腸内環境が関連 していることが明らかになってきています。良好な腸内環境を保つことで、様々な疾患を予防し 心と体の健康を維持することに繋がると考えられます。

腸内環境を改善する腸活のポイント

バランスの良い食事

補菌食材(発酵食品等)や育菌食材(食物繊維等)を積極的に摂取し、高脂肪・高糖質など、偏った食事を控えることが大切です。なるべく多品目の食材をとることで、腸内フローラの多様性にも繋がります。
※関連記事:腸内フローラ(腸内細菌叢)を整える食べ物の特徴

飲酒はほどほどに

お酒の飲み過ぎは、腸内フローラのバランスが乱れやすくなるなど、腸内環境に悪影響を及ぼすことがあります。適正量と適正頻度をしっかりと守りましょう。お酒だけではなく、おつまみの種類や量にも注意が必要です。
・適正量:純アルコールで約20g程度(ビールなら中瓶1本500ml、清酒なら1合180ml、ウイスキー・ブランデーならダブル60ml、焼酎なら1合180ml、ワインなら1杯120ml程度)
・適正頻度:週に5日以下(週に2日以上は休肝日を設ける)
※関連記事:腸内細菌が喜ぶ、ビール好きのためのおつまみの選び方

適度な運動

適度な運動を日常生活に取り入れることで、腸の働きを促進し、腸内環境を整えます。まずは日頃の歩数を計測し、平均的に8000歩以上を目指せると良いでしょう。

質の良い睡眠

良質な睡眠を確保することで、自律神経を整え、腸内環境のバランスを保ちます。なるべく就寝時間と起床時間を規則正しくする、就寝前のPCやスマホは控えめにする、なるべく毎日湯船に浸かりリラックス効果を高める、などを実践してみましょう。

ストレスの管理

適度な運動や自分にあったリラクゼーションを取り入れて、ストレスをため込まない工夫をすることが大切です。また、ストイックな腸活はそれ自体がストレスになってしまうリスクもあるので、自分のライフスタイルや性格にあわせて、無理のない範囲で実践しましょう。

水分補給

適切な水分摂取を心がけることで、腸内の水分量を保ち、便通を促進します。成人の場合は、1日に1.5〜2リットル程度の水分量が目安となります。カフェインを含む飲み物は利尿作用に繋がり、体内の水分が体の外に出ていきやすくなるため、とりすぎには注意しましょう。

まとめ:健康な腸内環境は継続的な腸活が必要!

腸内環境の改善には時間がかかるため、急激な変化を期待するのではなく、地道な取り組みが重要です。日常生活での食事や運動、ストレスの管理など、腸内環境をサポートする習慣を取り入れましょう。継続的な腸活を通じて、健康な腸内環境を目指してみてください。

腸活を始めてみたけど効果はどうかな?と感じたら、自宅でできる「腸内フローラ検査サービス」をお試しください。

自身の腸内細菌の割合やバランスをもとに、健康状態や体質の傾向、特に積極的に摂ったほうが良い食材などがわかりますので、自分に合った腸活や生活習慣の改善、健康維持・増進にお役立てください。

 株式会社サイキンソー
 管理栄養士
 志田 結

保育園や健診クリニック、特定保健指導業務を経て株式会社サイキンソーに入社。腸内フローラ検査を受けた方への腸活相談サービスの立ち上げや医療機関向けサポート業務に従事。個別相談やセミナー登壇の実績も多数あり、腸内細菌の可能性や奥深さを広く発信している。