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大腸にすむ腸内細菌を攻略すると全身の健康も守られる【辨野先生監修】

大腸にすむ腸内細菌を攻略すると全身の健康も守られる【辨野先生監修】

INDEX

病気が起こりにくい小腸

腸は十二指腸から肛門までを指し、おおまかに言うと小腸と大腸から成り立っています。食べたものは口から入り、食道、胃、小腸、大腸を通って消化・吸収され、その残りカスが便として排出されます。
同じ腸でも、小腸は消化の最終段階の場所であると共に、食物からの栄養を吸収するのが主な働きです。体に必要な栄養分を吸収しなければならないため、吸収してはいけないもの、即ち、感染症を起こすような有害菌、毒性のある物質や有害な異物を排除する必要があります。そのため、小腸は免疫機能が高く、体の中でもっとも病気が起こりにくい臓器と言われています。

小腸が病気にかかりにくい理由は。外から入ってきた食べ物に直接触れる臓器なので、小腸の粘膜細胞は3日に1回と言う早いスパンで生まれ変わるという特徴があり、それは小腸が有害な異物を排除するためと考えられています。

病気が起こりやすい大腸

対して大腸は、小腸で消化・吸収できない食物繊維などの残りカスを便として排出する、食べ物の最終処理場であると共に、食物繊維を餌とする1000兆個にも及ぶ腸内細菌の住み処でもあります。その腸内細菌には体に良い影響をもたらす有用菌もいますが、病気の元となる有害物質を発生させる有害菌もすんでいます。

さらに、窒素ガス、炭酸ガス、水素ガス、メタンガスが充満し、腸内細菌が生み出す有害物質が繁殖しやすい環境なので、酸素がない、いわゆる嫌気状態なのです。つまり腸内細菌のほとんどは酸素があると生育できない「嫌気性菌」なのです。その代表が、ビフィズス菌、酪酸産生菌なのです。体調がよく、免疫機能が高まっていれば、免疫細胞や有用菌の働きで病気の発生は食い止められます。しかし、ストレスによって自律神経のバランスが乱れたり、睡眠不足や不規則な食生活が続くと免疫のバリアは薄れ、がんを含めたさまざまな病気の発生源となってしまうのです。

腸内環境を良好に保つのためには食事が重要

大腸は人間の臓器の中で、唯一、食事の成分によってコントロールができる臓器です。大腸を病気の発生源にしないために、適度な運動や睡眠も重要ですが、一番重要なのは、どんな食べカスを大腸に送り込み、腸内細菌のいいバランスを保つかをよく考えることです。腸内細菌が食物繊維を食べることで酢酸や酪酸などの短鎖脂肪酸が増加し、腸内を酸性に傾けます。有害菌は酸性環境での生育が困難なものが多いため、食物繊維の摂取は腸内環境を良好に保つことにつながるのです。

辨野 義己(べんの よしみ)
一般財団法人 辨野腸内フローラ研究所 理事長 / 国立研究開発法人 理化学研究所 名誉研究員