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「腸」が第二の脳と言われる理由

「腸」が第二の脳と言われる理由

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「腸」が第二の脳と言われる理由

私たちがお母さんのお腹の中にいるとき、最初に作られる臓器はなんだと思いますか? 正解は、脳でもなく心臓でもなく、腸なのです。クラゲのように脳がない生き物はいても、腸がない生き物はこの世に存在しません。生き物にとって「腸こそ生命の起源」といっても過言ではありません。



私たちが生きていく上でまず必要になるのがエネルギーとなる栄養です。腸には、食べ物に含まれる栄養素を体に吸収されやすい形に変える働きが備わっています。このとき、腸はなんでもやみくもに吸収しているわけではなく、それが味方(栄養素)なのか、敵(有害な毒素や病原菌)なのかを識別しているのです。



腸は口を通じて外部とつながる臓器でもあるため、口から取り込まれた有害物質と直接接触する器官でもあり、有害物質から体を守るには、脳の判断を待っていては命を脅かされる危険もあります。そのため、脳を介さず腸自ら考えて判断する必要があるのです。



腸が自ら考えて行う、3つの働き。

1. 食べ物に含まれる栄養素を認識し、消化、吸収、合成を行うための処理
2. 栄養が搾り取られたあとの食べ物のカスを便にして体外に運ぶ
3. 腐った食べ物など、有害物質が入ってきたら、下痢を起こして早めに体外に排出する


腸の外側には、脳と同様の判断を下せるように、神経繊維の束である「神経網」が網目のように張り巡らされ、神経網の結び目のような部分には、情報処理と情報伝達のための神経細胞「ニューロン」が多数存在しています。さらに、腸内には感覚細胞である「パラニューロン」も点状に散らばっています。実はこの構造は、脳の神経細胞とほぼ同じなのです。腸は、ニューロンとパラニューロンを合わせると1億個以上の神経細胞を持つことで脳同様の機能を持ち、自らの意思を持って24時間休みなく独自に働いているというわけです。これらのことから、腸が第二の脳と言われているのです。

辨野 義己(べんの よしみ)
一般財団法人 辨野腸内フローラ研究所 理事長 / 国立研究開発法人 理化学研究所 名誉研究員